浄化槽

消えていく浄化槽。浄化槽の設置よりも廃止の方が増えているが廃止は簡単ではないということは知っておくべき

今後は浄化槽の設置ではなく浄化槽の廃止が主流になっていく可能性

浄化槽設備士について

浄化槽設備士の受験料が数年前から大幅に上がりました。

¥22,500円→¥31,700円です。推測される理由としては浄化槽設備士試験を受ける人が年々減っている為に協会の収入が減っていることだと思います。また管工事施工管理技士の資格を持っていれば講習+効果測定で浄化槽設備士の資格を得ることもできるのですが 講習費 80,000円→133,000円と大幅に上がっています。

浄化槽設備士試験のご案内

公式サイト https://www.jeces.or.jp/pages/31/

ただ今年から自宅や職場でオンデマンドで受けることができるようになったので地方から東京へ行く必要がなくなり宿泊費がかからなくなったのですが、効果測定に関しては東京へ行き効果測定を受ける必要があります。またその効果測定の合格率は50%という噂なので15%→50%で交通費含めて16万円ぐらいかかってしまうことを考えると地道に試験を受けたほうが良い気がします。

価格が上がったのは浄化槽設備士の需要が減り、試験を受ける人が減っているのが要因ではないかと思っています。

浄化槽の廃止について

話が脱線しましたが、浄化槽の廃止とは浄化槽の廃止届と浄化槽を使えなくする物理的な意味での廃止があります。

書類上の浄化槽の廃止については市の浄化槽管理の部署に浄化槽廃止届を提出することで完了します。それとは別に浄化槽本体に対する廃止という作業があります。

まず最初に

浄化槽内の汚泥を引き抜き清掃後に消毒を行います。

そのまま放置するところもあるかもしれませんが、土中に空洞があるということはもしかすると数十年後に陥没する可能性があるかもしれません。その為、中に水を入れておいて土圧に負けないように放置というところもあるようですが衛生的によろしくないので埋めるという選択肢をとるところが多くなっています。

浄化槽内の配管やポンプ類を撤去する。

配管やポンプを撤去する理由としては浄化槽内部に砂を注入するのですがその場合、中に様々な配管度があると十分に砂が充填されず、配管が潰れたり隙間に砂が落ち込むことが発生します。その場合、地盤が落ち込む可能性があるので配管類の撤去を推奨します。配管や機器を撤去せず砂を注入するほうが安価ですが上記のようなことが発生する可能性があるので知っておくべきです。

浄化槽の底部や底部近くの側面に穴をあけて水が抜けるようにします。これは浄化槽内部の砂を水締めする為に必要であること、今後雨が降った時に浄化槽内部に水が溜まることを防ぐ為です。

機器と内部配管を撤去して浄化槽内部へ砂の注入、水締めが完了すれば後はマンホール部分にコンクリートを打設するか、蓋を閉めるかのどちらになります。

また実はあまり知られていないのですが、下水道が自宅まできた場合、三年以内に浄化槽から下水に切り替えることが法律で決められています。

しかし実は切り替えなくても罰則はないので切り替えないという人たちも一定数存在します。ただ考え方にもよるのですが、下水道に切り替えるかどうかは特に指摘するつもりはないのですが、下水道に切り替える場合でも浄化槽をそのまま放置するという危険性にについては個人的に思うことがあります。

5人槽や7人槽ぐらいのサイズならまだしも、14人槽以上になってくると槽内にはかなりの空間があります。しかも浄化槽の蓋というのは鍵があるわけではないので簡単な道具があれば簡単に開けることが可能です。しかも中にはかなりの空間が存在することになります。浄化槽が使用されていて管理会社が定期的に点検しているのであればそこまで心配にはなりませんが、誰も管理していない状態であれば、ゴミならまだしも死体などを遺棄されても全く気づくことはできないのではないかと心配してしまいます。

今後は下水道への切り替えを行う案件が増えてくると思いますが、下水道への切り替えを検討検討されている方はその点にご注意ください。

【読んでほしい過去記事】

【外国人就労者問題】現場の外国人労働者を否定はしないけど最低限の常識を!浄化槽上から落下するところでした。

今回は浄化槽が消えていくという記事を書きましたが、都市部での話で過疎化する地方都市では今後浄化槽が増えてくるかもしれない話を紹介します。